産業連関表【さんぎょうれんかんひょう】
産業連関表とは、財やサービスのやり取りの流れを、一定期間(通常一年間)に一定地域内について行列形式で一覧表にしたものである。
英語では、産業連関表を"INPUT−OUTPUT TABLE"と呼び、日本では産業連関表の 他に「I−O表」または「投入産出表」とも呼ぶ。
経済を構成する各産業は、相互に結びつきながら生産活動を行っている。
ある一つの産業は、他の産業から原材料や燃料などを購入(投入)し、これを加工して製品を作り出している。この製品は、家計などに販売(産出)するほか、他の産業へも販売され、新たに他の産業の生産活動のための原材料として利用される。そして、こうした「投入→産出→投入→・・・」を 繰り返し最終的に、より加工性の高い製品として家計、政府、輸出などといった最終需要を満たすために販売されていくさまをあらわした表である。
関連用語 ■ 中間投入
財貨・サービスが原材料や燃料等の中間財として取引される投入額
関連用語 ■ 中間需要
財貨・サービスが原材料や燃料等の中間財として取引される需要額
関連用語 ■ 雇用者所得
民間企業や政府等において雇用されている者に対して、労働の報酬として支払われる現金や現物
関連用語 ■ 営業余剰
個人業主や家族従業者の所得を含む企業の利潤
関連用語 ■ 粗付加価値
生活活動によって新たに付加された価値
関連用語 ■ 最終需要
各産業部門が生産した財・サービスのうち、原材料と異なり最終的に消費される財・サービス
関連用語 ■ 内生部門
中間需要と中間投入の枠で囲まれた、原材料や燃料の取引を表す部分
関連用語 ■ 外生部門
最終需要と粗付加価値で、理論モデルの体系外から大きさが決定される部分。
関連用語 ■ 投入係数(率)
財貨・サービスの生産に投入された原材料等の量を、生産量で除した比率
関連用語 ■ 粗付加価値係数(率)
財貨・サービスの粗付加価値の量を、生産量で除した比率
関連用語 ■ 逆行列係数
ある産業に1単位の最終需要が追加された場合、この最終需要を満たすために直接・間接に必要なさまざまな産業の生産量を、もとの最終需要の量を1単位として表した比率(生産誘発は、すべて県内で賄われるとする封鎖経済型逆行列係数と、開放経済型逆行列係数が存在する。)
関連用語 ■ 生産誘発額
ある産業部門の県内生産額がどの最終需要項目によってどれだけ誘発されたものであるかみたもの
関連用語 ■ 粗付加価値誘発額
ある産業部門の粗付加価値額がどの最終需要項目によってどれだけ誘発されたものであるかみたもの
関連用語 ■ 雇用者所得誘発額
ある産業部門の雇用者所得額がどの最終需要項目によってどれだけ誘発されたものであるかみたもの
関連用語 ■ 平均消費性向
雇用者所得のうち、貯蓄等に回らず消費支出される割合の平均
関連用語 ■ 経済(生産)波及効果
関連用語 ■ 直接効果
需要の増加そのものの効果
関連用語 ■ 第1次波及(間接)効果
ある産業が原材料を他産業から購入することによって生じる生産誘発効果
関連用語 ■ 第2次波及(間接)効果
一般的に第1次波及効果によって誘発された生産から生み出された粗付加価値の一部が、家計消費支出となって、再び生産を誘発するとによって生じる効果(ただし、経済波及効果分析を第2回までに限定して試算する場合であり、雇用者所得は一定の率で消費需要を喚起し、消費需要 → 生産誘発 → 雇用者所得誘発 → 消費誘発、というメカニズムで収束するまで理論的には続くはずであるが、通常は第2次波及効果までを分析する)。
| 閉じる |