2000年世界農林業センサスの結果について





 農林業センサスは、全国の農家や林家などすべての農林業を営む事業体等を対象として行う大規模な調査で、いわば「農林業に関する国勢調査」ともいえる調査です。
 農林業センサスには、国際条約に基づいて10年毎に実施する世界農林業センサスと、その中間年に我が国が独自に実施する農業センサスがあります。今回の調査は前者にあたり、国内における農林業の実態を明らかにして、国・都道府県・市町村や各方面にわたり広く利用できる総合的な統計資料を整備し、農林業施策の推進等に活用することを目的としています。
 ここでは、調査結果の中から農業について取り上げてみたいと思います。












 
            


1 農 家 数

 平成12年2月1日現在の本県の総農家数は、36,653戸で、5年前の41,894戸に比べて5,241戸(12.5%)の減少となり、引き続き減少傾向が続いています。
 販売農家を経営耕地面積規模別にみると、最も農家数の多い階層は0.5〜1.0haの10,408戸で、36.6%を占めており、これに0.5ha未満(23.1%)を加えると総販売農家数の約6割がこれらの階層に集中し、依然として小規模経営が大半を占める状況となっています。(表1)
 しかしながら、経営耕地面積規模別農家数の増減率をみると、4.0haを境にして、それ未満の各階層で減少し、逆に4.0ha以上の階層では5.0〜7.5haで減少しているものの、10.0〜15.0haで37.8%、15.0ha以上で42.3%となっており、大規模農家は大幅に増加しています。(図1)

表1 経営耕地面積規模別農家数

図1 経営耕地面積規模別農家数の増減率
             

 2 経営組織別にみた就業構造

 販売農家の主な作物の類(単一経営)は表2のとおりとなっていますが、図2では表2の中から農業就業人口の年齢構成が異なるものを選択してグラフに表したものです。
 @稲作では、65歳以上の占める割合が62%となっており、半数以上が高齢者という年齢構成になっています。A花き・花木では、高齢者の占める割合が多いものの、@に比べて高齢化の度合いは緩やかで比較的若い労働力が確保されていることがわかります。B酪農では、Aより更に若い年齢構成で、40〜44歳と65〜69歳の2つの階層で割合が高くなっており、後継者世代の担い手が確保されていることがわかります。(図2)
 また、これらの他に同様の年齢構成となっているものには、@では「雑穀・いも類・豆類」、「露地野菜」、Aでは「工芸農作物」、「施設野菜」、「果樹類」、Bでは「養豚」、「養鶏」があげられます。


図2 農業就業人口の年齢別割合表2 作物の類
             

 3 環境保全型農業

 環境に配慮した農業の確立が求められている中で、販売農家28,407戸のうち、これに取り組んでいる農家数は、4,969戸で、販売農家に占める割合は17.5%となっています。
  また、取り組み内容をみると、「稲」については農薬の投入回数を慣行の半分以下としている農家が最も多く、「野菜」、「果樹」、「その他の作物」では、たい肥による土づくりをしている農家が最も多くなっています。(表3)

表3 環境保全型事業への取り組み状況