2004年8月〜9月 猛暑あれこれ
前年の冷夏から一転して、今年の夏は各地で記録的な暑さを記録しました。その余波は様々な分野に影響を及ぼしています。
@最高気温と大気汚染:7月中の猛暑は東京を含む全国15カ所で過去最高気温を更新し、金沢市の平均気温も27.3℃と1992 (S62) 年来の観測史上最高値となりました。
東京ではこの暑さに加えて、都市再開発による高層ビルの増加に伴い都市部のヒートアイランド現象が進み、結果的に光化学スモッグを誘発することとなり、規制によって排煙・排ガス量が減っているにも拘わらず、今年は光化学スモッグ注意報が昨年の8回を越える17回も発令されています。
A電力事情:7月の電力10社合計の発電電力量は925億7千万kw時となり、最高値を更新しました。石川県内においても、7月の発電需給量・消費量はともに冷夏である昨年だけでなく一昨年と比較しても上回っています。
B熱中症大発生:金沢市内で6〜8月にかけて熱中症で緊急搬送された患者数は、31名にのぼり、昨年同時期の17名を大きく上回りました。特に観測史上最高の平均気温を記録した7月においては20名となり、猛暑を裏付ける結果となりました。
Cマリンレジャー事故:海上保安庁第9管区内(新潟県・富山県・石川県) の今夏(7月1日〜8月25日) のマリンレジャー中の人身事故は前年同期比で15人増の42人で、このうち死亡者数は11人増の22人と倍になりました。猛暑の為、冷夏の昨年と比べて人出が多かったことが原因と考えられています。
D消費動向:昨年の冷夏では、夏物商品の売れ行き不振が景気に影響を及ぼしたことは記憶に新しいですが、一転して猛暑となった今夏は7月のビールの出荷量が前年比37.7%増の8,400kl (キリンビール北陸工場)、家電においてエアコンの販売実績が7月速報値で前年比83.1%増(日本電気大型店協会:全国値)、7月のコンビニ売上高が前年比10.5%増(日本フランチャイズチェーン協会:加盟コンビニ13社全店) になるなど好調さが窺えますが、7月の県内の大型小売店の売上げは、一部夏物商品が好調だった反面、売上げ全体では昨年を下回り、猛暑による景気回復とはいかないようです。